ブリタニカ

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※感想については全てネタバレあり。くれぐれも鑑賞後にご覧ください※

ゴシップ・ガール

製作総指揮:ジョシュ・シュワルツ

出演:ブレイク・ライブリー

区分:海外ドラマ

評価:★★★★★

 

この喪失感をどうしてくれる? 素晴らしい作品の唯一の欠点は、それが終わってしまった時のとてつもない虚無感に違いない。もうダンやセリーナ、ブレアにチャックにネイトに会えないのかと思うと、とにかく寂しい……。どうしてくれるんだよ本当に……

 そもそも海外ドラマの手法は、映画等と比べるとはっきり言って卑怯である。なぜなら、限られた時間や枠の中で勝負する映画や小説とは異なり、ドラマにはある意味制限が無い。視聴率が続く限り、作品はいろんな意味で続いていくのだ(大抵は悪い意味だが)。特に海外はその傾向が強いように感じる。数字が取れれば、例えマンネリだろうがグダグダだろうが引き伸ばされるし、逆に取れなければ、いざこれから盛り上がる場面だろうと伏線をばらまいたままであろうと問答無用で打ち切り。だから、正直言って海外ドラマは他の作品と同列に評価できないし、すべきではない。(真っ当な映画ファンの方からすれば、邪道以外の何物でもない。というかそもそも作品として見て貰えないだろう。)しかし、だからこそというべきか、海外ドラマには海外ドラマだけの魅力があると自分は思う。

 それは、映画や小説にはないその圧倒的なである。1クールがおよそ1話1時間×2話×10巻だとすると、20時間。人気作品ともなればシーズン5~6は当たり前なので、100時間は下らない。他人と1日に5時間一緒に過ごす日が20日間も続けば、誰でも愛着ぐらいは湧くのではないか。(少なくとも最早他人ではないだろう?)しかもそれがめちゃめちゃ気の合う人であれば、友人や恋人に発展しても不思議ではない(はず)。まあ、前述のような長~いシーズンを踏破したのであれば、その時点ですでにめちゃめちゃ気が合ってるに違いないのだが。そういうわけで、海外ドラマはその特徴的な尺の長さによって、視聴者にものすごい親近感を植え付けるのである。(エンタメ系長編小説やシリーズ物もこれに共通するかもしれない)。 

ゴシップガール自体に話を移すと、要はヤングセレブのよもやま話である。主軸はそれだけ。それだけなのに、外人が演じるとなぜかそれだけで凄いから不思議だ。これを日本でやろうものなら目もあてられないのだが、外国という要素による非日常間が、全てをオッケーにしてくれる。(自分の外国コンプレックスのせいだろうけども)。

登場人物たちも、最早自分の中では大親友である(←)。セリーナは、結局良くも悪くも見た目は大人、中身は子供の可愛らしい女の子。一番変化がなかったキャラかもしれない。ブレアは演じたレイトン・ミースターさんがとってもチャーミングだったから言うこと無し。女王様ぶりも終始一貫していて、気持ちが良かった。ダンは下流階層の内気な文学青年という設定で、非常に感情移入がしやすく、大好きなキャラの一人。黒幕という最後の大逆転(孤独な僕という語りで、実は最初から答えは提示されていたという憎い設定にも感激!)があったから、終盤のイヤみなダンにも多少納得。あとブレアも言っていたけれど、髪切った方が絶対良いと思った(笑)。チャックは一番魅力が詰まったキャラクターで且つ一番変化(というか成長!?)したヤツでもある。指名手配されながら結婚式を挙げ、誓いのキスの後に即連行されるとか……もうさすがの一言です。チャックとブレアの関係性に、愛情というものの一つの終着点を見た気さえする。ネイト……、途中で薄々感じてはいたが、やっぱり最終回でも独り身(あの未成年女子高生はどこいった?)。ルックスは王子様なのに、ビッチが溢れる今作の中でも屈指の尻軽男だった。性格は一番ピュアだったのに、ドンマイ。あとはリリーやルーファス、ジェニーにエリックと、終わってみれば全員憎めない、というか大好きなファミリーである!(←)。

海外ドラマはその性質上、まとまりのないチグハグ感がつきまとうものだ。ゴシップガールもその例に漏れず、シーズン2辺りから(早い!笑)「あれっ?」ってなったのは事実だ。しかし、ゴシップガールという存在自体が、誰にも共通する注目されたいという欲望をテーマにしていることで、通して観ると一貫性が無くも無い。むしろ、海外ドラマとしてはかなりまとまったレベルだ。物語自体がぶっちゃけ「いつ終わってもおかしくないし、いつまで続いてもおかしくない」話なので、ファイナルシーズンにありがちなとってつけた感が薄かったのも要因だろう。またもう一つの要因として、これが原作ありきの作品だったこともある。どうやら小説を脚本化したものらしい。どうりで。

ジョシュ・シュワルツさんの作品では『The O.C.』が類似作品であるが、単純に比較はできない。どちらも素晴らしいし、かけがえのない家族なのだから!(←←)

この喪失感を埋める救済措置として、上記の原作本でも試してみようかな……